Plain English -Part 7-英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則 第二弾!

冗語をシンプルに言い換えることで格段に読みやすい文章に!

出来る限り能動態を使用して英文をライティングすることで読みやすく、訴求力のある英文にすることができるというお話を「Plain English -Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則」にてご説明させていただきました。

でも、能動態ばかりの文章を書ことうすると主語が重複し、「I work…  I would…  I need…」という私が、私が、私が、という単調な文章になってしまう。その解決法について一つご提案です。
文章の中に疑問文を盛り込んでいく手法です。

例:
. Won’t I sound too aggressive or rude if I use the active voice?
. How do I keep from using the pronoun “I” in every sentence if I communicate with a client or co-worker using the active voice?
. Wouldn’t using the passive voice be better when giving bad news?

是非、実践してみてください!

さて、本日の本題ですが、Plain Englishの指標の一つである文章に含まれる理想の単語数は覚えていらっしゃいますでしょうか?
平均20ワードが一息と読み切ることができ、すっと頭に入ってくる文章の長さとされています。
例えば、日本語の学校英語で習う「despite the fact that」という言い回しを使用したらそれだけで4ワード。
これを同じ意味を持つ「although」に書き換えてしまえばたった1ワードで完了です。

他の具体例もご紹介いたします。

Before(冗語) After(シンプルに言い換えた場合)
 in order to  to
 in the event   that  if
 subsequent to  after
 prior to  before
 despite the   fact that  although
 because of   the fact that  because, since
 in light of  because, since
 owing to the   fact that  because, since

こうやって見てみると、書き換えられた単語はさほど多くなく限定されていますね。

英語は日本語と違って、一つの単語に多くの意味を持ちます。
英文ライティングを向上させるには、多くの単語を覚えるよりも、一つの単語に多くの意味があることを知り、それをうまく使い回せるようになることが近道です!

次は実際の文中で受動態かつ冗語が使用されている文章をリライトした例です。
(下線太字が該当箇所)

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例文1:
Before
The following summary is intended only to highlight certain infor­mation contained elsewhere in this Prospectu

After
This summary highlights some information from this Prospectus.

例文2:
Before
Machine Industries and Great Tools, Inc. are each subject to the information requirements of the Securities Exchange Act of 1934, as amended (the “Exchange Act”), and in accordance therewith file reports, proxy statements and other information with the Securities and Exchange Commission (the “Commission”).

After
We file annual, quarterly, and special reports, proxy statements, and other information with the Securities and Exchange Commission (SEC).

=============

Afterの文章の方が、劇的にワード数が減り、読みやすい文章になっていることがお分かり頂けると思います。

日系企業様の原文IR資料を逐次訳すると、どうしても冗語の使用が増えてしまいます。そこで、Plain Englishにために出来る限り冗語をシンプルな単語に置き換えます。
そうすることで、理解しやすく、明確な(誤解のない)英文にすることが出来ます。

原文の書き手からすると「その事実により(because of the fact that)」という単語が、ただの「because」だけに翻訳されてしまうと、原文の主旨が誤って読み手(ネイティブ)に伝わってしまうのではないか?と不安になられるかもしれません。過去そういったご指摘を何度かいただいたこともございます。

Plain Englishは、米国で国策として推奨されており、1933年証券法に基づいて登録している米国証券会社にとって、いまや法的義務であり、米証券取引委員会(SEC)は、1998年(平成10年)にその規則を採用しています。
英国でも多くのガイドラインが発行されており、Plain Englishの査定機関もあります。

本Blogを読んでいただき、質の高い英文ライティングが逐次訳ではなく、このようなテクニックを使ってライティングをすることが重要であることを少しでもご理解頂ければ幸いです。

引用元:米国証券取引委員会(SEC)
Federal Plain Language Guidelines
http://www.plainlanguage.gov/howto/guidelines/FederalPLGuidelines/index.cfm

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Plain English -Part 6- 日本語のライティングでも使えるPlain Englishのガイドライン

会議や打ち合わせで社内用語や業界用語、専門用語を乱用されて困った経験ありませんか?
お客様に伝わる言葉を選べていなかったら、それはマイナスイメージなコミュニケーション

Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-」でご説明させていただいたルールの一つに「専門的な用語は使用せず、一般的な用語を汎用する」というガイドラインがあります。そして、抽象概念ではなく、具体的な用語に置き換えていくことで更に読みやすい文章にすることが出来ます!

たとえば、金融業界を例にとってみます。

ミューチュアル、ファンド、クーポン債、外貨取引…。
抽象概念の用語の宝庫ですね。 “Plain English -Part 6- 日本語のライティングでも使えるPlain Englishのガイドライン” の続きを読む

Plain English –Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則

このコツを意識するだけであなたのライティングは各段にわかりやすい、メッセージ性の高い文章に!!

先日、「Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-」でPlain Englishのライティング方法についていくつかご紹介いたしました。
その中の一つである、「受動態は使用せず、能動態を使用する」方法について詳しくご説明いたします。

日本語は文章の特性上、受動態の文章を多く使用します。
もし、日本語をそのまま英訳するとどうなるか?
要点が曖昧で、冗長的で何を伝えたいのかわからない残念な英文になってしまいます。

いくつか事例を交えてご紹介いたします。 “Plain English –Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則” の続きを読む

Plain Englishの逆説

Plain Englishはいいところばかりじゃない….
逆説の観点を惜しげなく披露します!

これまでPlain Englishの利点ばかりをお伝えしてまいりました。
残念ながら、そんなPlain Englishにもライティングのスタイルが適さない文書もあります。
マニュアルや契約書などは、より具体的に、また、指定の専門用語を使用することが求められるため
Plain Englishのルールでは読み手にとって不十分な情報になる、また顧客のニーズに合わないケースがあるからです。

具体的にご説明させていただきます。

1) 正確性が十分でない場合がある
2) 翻訳費用の削減には適していない
3) 機械翻訳(Google翻訳、Excite翻訳など)には適していない
4) 世界基準のガイドラインがない

各項目について事例を交えてご説明いたします。 “Plain Englishの逆説

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Plain English 読みやすさの指標(FKR/FKG/GFS)って一体何が基準なの!?

何をもってPlain Englishなのか。英語圏のネイティブでない方のために、数値でご納得いただくツールの詳細を解説いたします。

先日Plain Englishかどうかを確認する一つのツールとして「The Readability Test Tool (http://read-able.com/)」をご紹介しましたが、ツールに表記される各指標について解説いたします。 “Plain English 読みやすさの指標(FKR/FKG/GFS)って一体何が基準なの!?” の続きを読む

Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-

直訳調とPlain Englishの違いを徹底比較!

前回のBlogでPlain Englishの概要をご説明させて頂きました。

今回は決算短信の定性情報の一文を例にして、実際に
①    直訳に翻訳した場合と
②    Plain Englishで翻訳した場合
の読みやすさの違いを実際の翻訳を交えてご説明させていただきます! “Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-” の続きを読む

Plain English (プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part1-

1970年代に国策の一貫としてカーター大統領より大統領令として発令された“Plain English”

なんのために?
アメリカは様々な人種が集まった国。
日本のように教育レベルが平均しているわけでなく言語レベルも様々です。それでも国民は法律を知っていなければならないし、新聞を読んで世の中の情報を知っていなければならない。保険にも加入しなければならないし、家を買う時にはローンを組んで契約書を結ばなければならない。
そのような時、内容が小難しく理解出来ない文書であったら、双方の不利益になりかねません。
であれば、発信する文書をPlain English (平易な英語)にしてしまえばいい! “Plain English (プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part1-” の続きを読む