IRサイト ベスト・プラクティス 第4弾

IRサイトで掲載すべき重要なコンテンツ(ウェブサイトの内容)

 

IRサイトのベスト・プラクティス第4弾です。本日は、IRサイトを制作するために欠かせない「コンテンツ」について解説いたします。

これまでのシリーズは下記よりご覧いただけます。

第1弾:最も効果的なIRサイトウェブサイトにおける重要点

第2弾:効果的な英語IRサイトとは? 認知・ユーザビリティ・アクセシビリティ

第3弾:よいウェブサイト制作は、IRご担当者様がポイントを理解していることが入口

 

本連載は、イギリスのIR向上機関 ir society が発信しているIRウェブサイトにのベスト・プラクティスガイドライン英語版を日本語に要訳したものです。

ir societyはFTSE100およびFTSE250種別総合株価指数を構成する企業をはじめとする700社からが会員となる、イギリスのインベスターリレーション向上機関です。

 

<コンテンツ(ウェブサイトの内容)>

はじめに

ウェブサイトの内容は明確で最新かつ、あらゆる投資家(既存・新規、個人・機関)の需要に応えるものでなければなりません。

企業や市場に対する株主の理解を深めることは、彼らの期待値を現実的で達成可能なものにするために欠かせません。 ただ更新された情報を掲載するだけのウェブサイトを見ることがありますが、こういったサイトは本来求められるべき重要な役割を果たしていません。

 

企業情報について

まず、下記に最低限必要なページについてご紹介いたします。

 

「About us(企業情報)」ページ

投資活動に関する情報を定期的に更新してください。

このページでの内容は十分な情報を盛り込む記述べきですが、他のページからの補完があってもかまいません。投資家に、これまでの事業活動内容における投資関連情報を盛り込んだファクトシートを提供しましょう。詳細レポートや、1、2ページで構成さえる簡易版も用意すると尚良いです。

 

「IRライブラリー」ページ

投資家を集めるための工夫をしましょう。
貴重な情報をPDFやアニュアルレポート、プレゼンテーションを開示していますか?全ての数値データは、投資家にとって貴重な資料です。大事なメッセージと共に投資家へ伝える見せ方の工夫をしましょう。

 

「役員紹介」ページ

役員や代表のプロフィールを掲載していますか?
写真や経歴だけではなく、インタビューやビデオなども添えましょう。これは企業の戦略やビジョンを投資家と共有できるだけでなく、経営チームが経営にふさわしいメンバーで構成されていることを伝える良い手段です。

 

「問い合わせ」ページ

全てのステークホルダーのために、問い合わせ窓口を具体的に掲載しましょう。メールアドレスのみ記載されている企業様もいらっしゃいますが、それだけではユーザーにとって親切とはいえません。

・投資家向けにIR部の問い合わせ窓口の電話番号とメールアドレス
・メディアや顧客向けに広報部、本社の代表連絡先
まで記載することで、コミュニケーションを積極的に取る姿勢がアピールできます。

 

財務データについて

どんなサイトにも明快で理解しやすい財務データは必要不可欠です。
投資家がウェブサイトを訪れる主な目的は信頼できる最新の財務情報を素早く簡単に取得したいからです。

以下のポイントが鍵となります。

1. 大事な財務情報がフィナンシャルレポートの中で目に付かなければ意味がありません。ハイライトで強調する、要約でまとめるなどして適切に情報が伝わるようにしましょう

2. 最低5年分の財務記録を提供しましょう。

3. 監査が済んでいるものとそうでないものが一目瞭然であるようにしましょう。

4. 年間・補足情報・中間・四半期レポートがウェブサイトで取得可能であるようにしましょう。
アニュアルレポート内の、監査人からの意見や追加情報は、その旨明記し、読み手が判別できるようにしてください。

5. アニュアルレポートのアーカイブを作りましょう。
年次総会のお知らせなど補足的な資料も同時に掲載しましょう。

6. 主要な財務指標を掲載しましょう。例えば以下のようなものが挙げられます。

− Return on Capital Employed(ROCE)
− Return on Net Assets(RONA)
− Total Shareholder Return(TSR)
− Cash Flow Per Share
− Discounted Cash Flow Per Share
− Earnings Per Share(EPS)
− Price / Earning ratio(PE)

これらの他にも企業への影響が大きい指標は掲載すべきです。
・自己資本比率や信頼性評価の結果(詳しくは「社債所有者セクションをご覧ください」
・少なくとも3年分の財務データ
収益や利益、EBITDAなどの主要なデータは5年や10年分を用意しましょう。
・ブランドや人材などのバランスシート上に現れない企業の資産
(詳しくは「企業の責任」セクションをご覧ください)

7. 株主のために、オンライン上で株運用の査定ができる計算機能を設置しましょう。

8. 過去の配当や株式分割の内容を明記しましょう。

9. 最近の財務関連発表の資料は取得できるようにしてください。
ウェブキャスト形式のものと、原稿付きのスライド形式の両方を用意してください。

10.財務データ(株価を含む)がエクセル形式でダウンロードできるようにしておきましょう。

11. 最近はKPI (Key Performance Indicator)が重要になってきています。これらの指標は明確に説明されなければなりません。特に企業戦略の進行度との対応について説明しましょう。

本日はここまでになります。
次回ブログにて必要なコンテンツ続編をお届けします。
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Mia Omatsuzawa 大松澤実絵

Chief Executive Officer (CEO)One World Link Inc.
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