Plain English –Part 5- あなたの英文ライティングをちょっとしたコツでレベルアップさせる法則

このコツを意識するだけであなたのライティングは各段にわかりやすい、メッセージ性の高い文章に!!

先日、「Plain English(プレイン・イングリッシュ)をご存知ですか? -Part2-」でPlain Englishのライティング方法についていくつかご紹介いたしました。
その中の一つである、「受動態は使用せず、能動態を使用する」方法について詳しくご説明いたします。

日本語は文章の特性上、受動態の文章を多く使用します。
もし、日本語をそのまま英訳するとどうなるか?
要点が曖昧で、冗長的で何を伝えたいのかわからない残念な英文になってしまいます。

いくつか事例を交えてご紹介いたします。

事例1:
【受動態の文章】
The foregoing Fee Table is intended to assist investors in understanding the costs and expenses that a shareholder in the Fund will bear directly or indirectly.

この文章から「動作主」は読み取れましたでしょうか?
誰が投資家を支援するのかが不明確な文章になっていますね。
また、この文章の要点である「costs and expenses」にたどりつくまでにとても時間がかかります。

【能動態にリライトすると…】
This table describes the fees and expenses that you may pay if you buy and hold shares of the fund.

誰が意図しているのか、要点が何か、短い文章で明確に伝わるようになります。

 

事例2:
【受動態の文章】
The proxies solicited hereby for the Heartland Meeting may be revoked, subject to the procedures described herein, at any time up to and including the date of the Heartland Meeting.

誰が委任状を取り消すことができるのか、その方法に関する情報はどこを見ればいいのか曖昧で不親切な文章です。

【能動態にリライトすると…】
You may revoke your proxy and reclaim your right to vote up to and including the day of the meeting by following the directions on page 10

能動態にリライトし、誰が何をするか明瞭な文章にすると共に「by following the directions on page 10」など具体的な参照先を記載することで読み手に理解しやすく、親切な情報になります。

我々日本人が、受動態の英文を読む際に、一度能動態に置き換えているのと同様、ネイティブも同じ工程を踏んでいます。能動態の文章のほうが、一度読んですっと理解できる情報になります。

文章のメッセージ性を高めるために、弱い動詞ではなく強い動詞を使用します!

弱い動詞とは、「to be」や「to have」など、それだけでは意味を持たず、意味を持たせるために多くの単語を使用しなければならない動詞を指します。
一単語だけで意味をもつ「強い動詞」を使用すれば、必然的に文章は短く簡潔になりますし、読んでいる情報が目に飛び込んでくる、読者に情報を積極的に伝えることのできる文章になります。

いくつか事例をご紹介いたします。

Before(弱い動詞)

After(強い動詞)

We made an application

We applied

We made a determination

We determined

We will make a distribution

We will distribute

We will provide appropriate information to shareholders concerning..

We will inform shareholders about …

We will have no stock ownership of the company.

We will not own the company’s stock.

There is the possibility of prior Board approval of these investments.

The Board might approve these investments in advance.

 

弱い動詞を使用した文章は、文章も長くなり、何を言いたいのかぱっと見て理解しづらいです。
弱い動詞の中に隠れている強い動詞を見出し、置き換えるだけで、文章が端的にまとまり、アクションが何であるか少し読むだけで理解できますよね。

また、日本の学校で教わるThere isですが、あまりネイティブは使用しません。
皆様もできる限り、汎用しないように注意してみてください。

では、受動態は使ってはいけないのか?

実は、先日弊社で開催させていただいたセミナー(「世界に通用するグローバルコミュニケーション‐5つのルール‐」)で同様のご質問をいただきました。
能動態ばかりを使用していると同じ主語が続き、文章が単調になる傾向もあります。
必ず能動態を使用するのではなく、動作主や物の重要度が主語よりも低い場合は受動態を使用し、文章全体に動きを出すこともテクニックです。
どちらを使用していいか迷った場合には、能動態を使用するよう心掛ける。まずはそこからチャレンジしてみてください!

引用元:米証券取引委員会(SEC)より
http://www.sec.gov/pdf/handbook.pdf


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Mia Omatsuzawa 大松澤実絵

Chief Executive Officer (CEO)One World Link Inc.
英語のコミュニケーションにお悩みの方、私にご相談ください。真のコミュニケーションを、心と心のコミュニケーションの実現をご提供いたします。 担当記事:主に英語のコミュニケーション、ライティングについての記事を担当。また、価値あるグローバルな情報をいち早く日本語で皆様にお届けいたします。      mia@oneworldlink.jp  Facebook(Mia Omatsuzawa) 

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